デブの素とデブ製造工場

私はフレンチフライが大好きだ。
フライドポテトともいうが、揚げて塩をふったスティックの芋が大好き。
毎日ランチはマクドナルドのフレンチフライMサイズとホットコーヒー、という生活をしばらく続けたことも過去に何度かあるくらいだ。
フレンチフライにもいろいろあるけど、私はマクドナルドのフレンチフライがけっこう好き。
もちろん、太くて揚げたて、そとはカリッと、中には熱くていいにおいのするポテトがやわらかくつまっている上等なフレンチフライも大好きなんだけど、
マクドナルドの、サイズがばらばらでたまにスカスカのやつが混じっていて一つ一つに食べ応えがなくてときには冷えてしまっている、あのやる気のない感じのフレンチフライがけっこう好き。


ということで、マクドナルドの本場アメリカ!に来たのだから、ぜひともこちらでも存分にフレンチフライを食べたいと思ってマクドナルドへ行った。
サイズは日本と同じだと思う(少なくともMサイズは)。
味も日本と同じ味でおいしかった。
でも、なんか別のことで打ちのめされた気分になった。


それは、ランチタイムの混雑したレジ前、その行列にならぶアメリカ人のデブ率がなんと高いことか、ということ。
アメリカの「デブ」って日本の「デブ」と格が違う。日本の「デブ」なんてぜんぜんデブじゃなくてただの「ちょっと太ってる人」だ。
信じられないくらい巨大なおっぱいをゆさゆさしている女の人がそこらじゅうにいる。NYCに来て一番最初のカルチャーショックって、前に並んでいたおばさんの、私の顔の2倍は軽くあったおっぱいにつきとばされたときかもしれない。
こっちのおっぱいはすごいぞ・・・!
って。
そんなものすごいデブたちが、バーガーやフレンチフライをむっしゃむっしゃと食べている様子を眺めていたら、それらが
「デブの素」
に見えてきた。
2004年公開の「スーパーサイズ・ミー」という、一日3回、30日間マクドナルドのファーストフードだけを食べ続けたらどうなるのかということを記録したドキュメンタリー映画があったが、
実際にこっちのマクドナルドでスーパーサイズのデブ率の高さを実感したら、愛想の悪い店員から渡された好物のフレンチフライもほんとうに
「デブの素」
に見えてきて、店舗も
「デブ製造工場」
に思えてきた。


しばらくマクドナルドのフレンチフライは食べる気がしないかも。