“ワガママ目標”のすすめ

“ワガママ目標”とは、

  • 人の利害を考えない
  • 人の気持ちを考えない
  • 社会的倫理や法律さえも考えない
  • ただ自分の利害・欲求・感情を最優先に、自分に一番都合がよくて楽で気持ちいい状態


あるとき、私はそのとき付き合っていた人と別れたくて、別れたい理由を相手になんと説明すべきか彼女に相談した。


どうせ別れるのなら、理由の説明もなにもない、という考え方もそのとおりだとは思うけれど、
もし「別れたい」と言われたとき、自分はまったくそう思っていなくて、相手がそう思う理由に心当たりもなくて、あーもうだめになりそうだなーみたいな雰囲気もぜんぜん感じていなかったとき、ぜったい「なんで?」って思う。
一方が「別れたい」と本気で言ったら、たとえもう一方が別れたくなくても、それはもうどうしようもなく終わりだと思うから、理由を聞いてどうこうしてよりを戻したい、ということではないけれど、その答えは知りたいと私は思う。


そして理由の説明も、ただ正直に全部ぶちまければいいってものでもない。
短い長い浅い深い、二人の関係にもよるけれど、
ある程度真剣に付き合った相手の気持ちには配慮すべきだと思う。
それに、共通の知人が多かったり、今後も顔を合わせる機会がありそうだったり、いつか友達として付き合えるようになりたい(そんなふうに考えるなんてクソだっていう人はいるけど、私はありだと思う)という思惑があったりすると、
公開する情報と伏せておくべき情報について、表現の方法について、いろいろと考慮すべきことがある。


かくして私も思い悩んでいたわけであるが、彼女は言った。
「めんどうなことをぐちゃぐちゃ考えてないで、“ワガママ目標”を考えなよ」


“ワガママ目標”というのは、彼女いわく、冒頭で述べたとおり、

  • 人の利害を考えない
  • 人の気持ちを考えない
  • 社会的倫理や法律さえも考えない
  • ただ自分の利害・欲求・感情を最優先に、自分に一番都合がよくて楽で気持ちいい状態

のことであるが、「わたしはこんなことを考えていたのか!」と開眼することうけあい。
ときに自分の“ワガママ目標”の、あまりに身勝手さや恩知らずや残酷さに呆然とするかもしれないが、ここで手加減してはいけない。おもいきり“ワガママ”にならなければいけないのだ。

もちろん、“ワガママ目標”の内容によっては、そのまま実行するのは難しいし、刑罰を受けてしまうかもしれないので、劇薬とも言えるが、これが明確になるとすごーくすっきりするのだ。
そして、すっきりしたところで、法律や社会的倫理を加味し、可能と不可能を明確にし、妥協してもよい点は妥協し、現実的に実現させるためのアプローチを考える。


“ワガママ目標”は、とくに、何かを考えたり決めたりするときに、自分のことよりもまわりのこと人やまわりの状況、つまり自分以外のことを優先させる人には効果的だと思う。そういう人は、「「自分が」どうしたいのか」や「自分にとって一番いい状況」を「考えたことがなくからわかっていない」ということが多々あるからだ。
それだと結局、考えた結果や決めたことが、自分にとって無理のあるもの、ほんとうは納得のいかないものになって、身体にも心にも過負担となってしまうこともある。


この“ワガママ目標”は、恋愛に関する悩みだけではなく、もちろんそのほかあらゆる悩みに有効だ。
ぜひ一度試してみてほしい。