roberto cavalli at H&M

H&Mスウェーデン発祥の激安アパレルブランドであり、その人気は世界中に1,300以上展開されている店舗数(2007年4月現在)に顕著だ。NYCだけでも9店舗あり、日本にも2008年秋に銀座と原宿の2店舗がオープン予定。お洒落で流行もおさえられてなにしろほんとうに激安なので、私もかなりの頻度で立ち寄る。しかしながら、遠目にはきれいに見えてもその大半は激安だけのことはある品質や仕立てだったりするので、私が購入するのは小物の類が多い。とはいえ、ルームウエアや下着まで品揃えも豊富で、全商品の回転サイクルも速いので、毎回新商品やセール落ち商品を見つけることができて楽しめる。

そして、H&Mはこれまでに著名デザイナーやマドンナなどの歌手とのコラボレーション商品を企画販売してきたが、今回はイタリアのフィレンツェ出身のファッションデザイナーであり、パリ・コレクションにも参加しているロベルト・カヴァリ(Roberto Cavalli)とのコラボレーション商品を販売した。カヴァリ本人が来るという5th Ave.のH&Mの周囲にはレッドカーペットがひかれ、早朝から長蛇の列ができていたし、毎朝SUBWAYで配らフリーペーパー「metro」の表裏のカバーもそのコラボレーションの広告だった。

英会話学校の授業後、13時前にその5th Ave.の店舗に行ってみたら、カヴァリの商品はほとんど残っておらず、聞けば一瞬にして売り切れてしまったとのこと。ディスプレイされていたコラボレーション商品を見る限りでは、カヴァリ得意のアニマル系のプリントで、シルク100%(一応)のセクシーなワンピース$99.90などは試してみたかったので残念。それでも、レオパード柄のソフトブラ$19.90を購入(同柄のショーツはサイズが売り切れ)、ストラップ部分には控えめに「roberto cavalli」のロゴが入り、それ以上にとてもかわいいので満足。

でも、店内はいつも以上にごった返す買い物客と、その手によって乱雑に崩されたディスプレイでめちゃくちゃになっていた。そのなかで、買い物途中で放置されたと思われるカヴァリの商品を、通常のH&Mの商品が山のように積まれたワゴンの中にちらほらと見かけると、べつに特に好きなブランドというわけではないけれど、そのたびに心がざわついた。
roberto cavalliのようなトップブランドが激安ブランドであるH&Mとこのようなコラボレーションを1度することで、そのブランド価値が下がるとは私は思わないけれど、やはりいくら人気があるとはいえ、激安ショップで商品自体やその背景にあるさまざまな価値に対する憧憬や敬意を抱けというのはとうてい無理な話だとしみじみ思った。

それで、結局もっとも力が入っていたのはタグかな。。。と思ってしまったのは気のせいか。カヴァリの商品用のタグは、表はゴールド裏はレオパード柄のつやつやした厚紙で折りたたみ式のカードのようにできていて、「roberto cavalli at H&M」という文字がカヴァリのロゴマークとともに立体的に印字され、店内のいたるところで不似合いに輝いていた。