ホットドッグ屋台の罠と「ムカつく!!!」という英語表現

NYCにはいたるところに食べ物の屋台(street vendor)がある。よく見かけるのは、Hotdogs and Pretzels(ホットドッグとプレッツェル)と、Roasted Nuts(砂糖がけのあまいナッツ)と、Shish-Ke-Bob(シシカバブをピタという薄めのパンではさむ)、夏ならIcecream(アイスクリーム)の屋台も多い。ほかにもいろいろな種類の屋台があり、こだわりの味で評判の屋台もある。

よくある屋台のホットドッグは屋台によって多少違ったりするが、だいたいは味のないパンに色が悪くて弱々しく細長いソーセージが挟み込まれ、何の変哲もない真っ赤なケチャップと真っ黄色のマスタードが雑な感じで線状にかけられる。別においしくないが、どこにでもあるし、注文をはじめて10秒後には口に入れることができる手軽さがある。

そういうホットドッグの相場は$1.00〜$2.00。$1.00で売る屋台も時々あるが、タイムズ・スクウェアエンパイア・ステート・ビル周辺などをはじめ、観光客が多い場所では$2.00が当たり前。そしてそうした場所の屋台のホットドッグには、値段が高いだけでなく、さらなる罠がある。

ある日、いつものようにバッテリー・パークを散歩中に、屋台でホットドッグを買ったときのことであるが、バッテリー・パークには自由の女神があるエリス島行きフェリーのチケット売り場があるので、観光客はもちろん多い。
おだやかな顔をした屋台のおじさんに、ホットドッグをください、と言うと、ソーセージのサイズをsmallとmediumとlongのどれにするかと聞かれたので、smallを、と答えた。次にケチャップとマスタードはと聞かれ、どちらも、と答えた。そしてホットドッグを受け取ると、$2.50、と言われたので、ホットドッグは$2.00でしょ、と言うと、そのソーセージはmediumサイズだから、と言うので、私はsmallを注文した、と主張すると、ああそうか!でもmediumでつくっちゃった、とにこやかに笑うので、これは作戦なんだろうなと思いつつも空腹だったので、もうそれでいいよ、と$20紙幣を手渡した。すると、返ってきたのは$7.50。一瞬にしてその意味を悟って立ちすくむ。案の定「Excuse me...(怒)」と言った途端に$10紙幣をずいっと出される。
ムカつく!!!
この種類の屋台にはこうした罠があるのだ。ホットドッグの場合は2点、ひとつはソーセージのサイズの違いで価格に上乗せしようとすること。ほとんどサイズなんて変わらないのに、longにいたっては$3.00と言われるらしい。たとえ$3.00といえど、その価値さえ絶対にない。そもそもサイズの違いなど設定せずに一律価格で売っているところの方が多いことからも、この罠の悪質さがわかる。もうひとつはホットドッグに限らないが、つり銭をごまかさそうとすること。この罠はもう悪質の極み。

私の風采や英語の問題ということも少しはあったのかもしれないが、これはよく聞く話なので注意したい。

そして、このとき「ムカつく!!!」と言いたかったので、その表現について、あとで自分で調べたり人に聞いたりしてみた。こういう状況での「ムカつく!!!」では以下のような表現が使える。

  • Piss me off !
  • You are so disgusting !
  • What a jerk !


ちなみに、実はこのホットドッグを買う前に、その近くの別の屋台でホットドッグを買ったのだが(その屋台ではサイズを聞かれることはなかった)、その後大きな白い鳥に襲われ、その大きな爪でまだひと口も食べていないホットドッグを引っ掛けられて地面に落とされてしまった。唖然とする私の目の前で、その鳥とゾンビのように猛然と群がるハトが私のホットドッグをがつがつとついばむ光景は地獄絵図。危ないし、とてもかなしいので、こういう強盗鳥にもぜひ注意したい。