ホリデーシーズンのグリーティングカード

アメリカには「グリーティングカードの文化」がある。

グリーティングカードをはじめとしたグリーティング関連商品のデザイン開発、そして米国内に45,000以上の小売店舗を構え、事業展開しているのがHallmark社(Hallmark Cards,Inc.)。私もアパートメントの従業員の方々へのホリデーギフト用のカードはHallmarkで購入。グリーティングカードは祝日や誕生日、記念日、祝いごとの折々にやりとりされ、Hallmarkでは常時多種多量のグリーティングカードが販売されているが、一年中でもっともグリーティングカードが飛び交うクリスマス前のホリデーシーズンには、売り場も拡大されてバラエティ豊かなカードが店内をカラフルに彩る。

文字量では手紙に及ばないけれど、一言添えられたきれいなカードをもらうのは嬉しいものだ。でも、Wallmarkのカードに印刷されてあるメッセージのなかには、宗教的な要素があったり、いかにもアメリカ人的な表現だったりして、わたしにはキツイものも少なくなかった。

それで、私が日本人ではない友達へ送ったクリスマスカードは、日本に帰国したときに見つけたGreeting Life Inc.の「クリスマスポップアップカード」。いわゆる「飛び出すカード」なのだが、このカードは断然美しい。
私が買ったカードは、開くとボックス型になる枠の中にそれぞれ絵が描かれた4つのパーツがあらわれるという、仕掛けとしては簡単なものだが、まずその絵というのがほんとうに細かくて優美。五重塔清水寺金閣寺、木造の橋、桜や松がたけなわの京都の景勝に、小さなサンタクロースたちがたくさん溶け込んでいる。トナカイが引くそりに乗り、清水の舞台を見下ろし、金閣寺の縁側に戯れ、水面に船を浮かべる。金閣寺の外壁だけでなく、ところどころにちりばめられた金色の箔押しがきらめく。
そして、絵だけでなく、細部までつくりが丁寧。ボックスの内側にはしっかりと絵の背景が描かれ、外側には桜の花びらが落ちた和傘をさすサンタクロースと花模様が箔押しで凹凸印刷されている。

六本木ヒルズのウエストウォーク4F「ペーパーミント」というお店で買ったのだが、これ以外のカードもどれも素敵で、選ぶのに迷いに迷ってしまった。ほかに飛び出すタイプではない「ミニサンタカード」もある。

銀色の箔押しがきらめく京都の石畳の街並みを、だらりの帯をして和傘を持った舞妓が歩き、ミニサンタたちが走り回ったり五重塔に登ったりしている。ミニサンタシリーズは京都以外の観光名所のものなどさらに種類豊富。ポップアップカードと同様に上質紙で箔押し凹凸印刷。

日本の風景は外国人に喜ばれることがやはり多いので、このクリスマスポップアップカードとミニサンタカードはとくに外国人の友達へのクリスマスカードに最適だと思う。