フレンチレストラン<BOULEY>

特別な日なので特別なレストランでディナーを、ということでフレンチレストラン<BOULEY>へ。フレンチ料理の巨匠David Bouley氏によるこのレストランは1987年の営業開始以来、The New York Timesの最高評価の4つ星を獲得、1991年から一時閉店する1996年までの間にはZAGAT SURVEYのランキングでNO.1を維持し続けた。営業再開後もその料理の素晴らしさは変わらず、NYCで最高峰のレストランのひとつとして高く評価されている。

NYCではめずらしい平屋の建物の外観は、白い壁に大きな木造の窓枠が洒落ていて、飾りつけられたツリーがそのたたずまいをいっそう引き立てている。存在感のある入口のドアを開けると、両側の壁の下から上までリンゴが積み並べられていて、その爽やかな香りに心が躍り、味覚の期待はますます高まる。入口から見て右側はWhite Room、左側はRed Room、どちらもシックな装い。ドレスコードはほどよいドレスアップ程度からすこしきれいめ程度までの範囲内。

アラカルトメニューから好きなものを組み合わせて食べるのもいいけれど、「Tasting Menu($95)」というコースでいろいろなプレートを楽しむことができる。その内容は、Amuse-bouche(小前菜)のChef's Canapéにはじまり、Appetizerは2種から、Second Courseは3種から、Main Courseは4種からそれぞれひとつを選び、口直しのGranité(氷菓子)が供され、Dessertを2種からどちらか選ぶと、最後にエスプレッソやコーヒーなど好きな飲み物と一緒にPetit Four(小さい菓子)が出てくる。

最初のChef's CanapéからDessertまで、どのプレートも工夫が美しくおいしい。思い出すとよだれがでる。ひとつひとつのプレートの量は多くないけれど、フレンチのセオリー通り時間をかけてゆっくり料理を味わえば、十二分に満たされる。

雰囲気は、上品だけど気どらない感じが好み。客みなが料理はもちろん過ごしている時間をまるごと楽しんでいる声や音も心地いい。豪華絢爛で超絶な高級レストランもNYCらしいけれど、さまざまな人種の客が思い思いにくつろいで溶け合ったあたたかさもNYCらしい。さらにサービスは行き届いていて愛想もよく、この日は私の誕生日ということで、「Happy Birthday」と皿に描かれたデザートプレートを追加でサービスしてくれた。帰りにパウンドケーキのお土産あり。

<Bouley>
120 West Broadway(at the corner of Duane Street).
http://www.davidbouley.com/